オールオン4とは、わずか4本のインプラント(人工歯根)で片顎全体の人工歯を支える治療法です。従来の総入れ歯に比べ、しっかりと噛めることや違和感の少ない装着感など、多くの利点があります。
しかし、そのメリットを長く享受するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。メンテナンスを怠ると、口腔内のトラブルが起こりやすくなり、せっかくの治療効果を十分に生かせなくなる恐れがあります。
ここでは、オールオン4のメンテナンスがなぜ重要なのか、その理由を詳しく解説します。
オールオン4はインプラントを土台としているため、人工歯自体は虫歯になりません。しかし、インプラント周辺の歯ぐきは天然の歯と同様に歯周病のリスクを抱えています。
清掃が不十分だと歯垢や歯石がたまり、歯ぐきが炎症を起こして出血したり、痛みが生じたりする可能性があります。これを放置すると、インプラントを支えている顎の骨にまで影響が及び、最終的にはインプラントがぐらついて脱落してしまうこともあります。
さらに、オールオン4は4本のインプラントに負担が集中しやすいため、噛み合わせのズレや上部構造(人工歯)の破損を招きやすい点にも注意が必要です。もし噛み合わせが狂ってしまうと、食事の際に痛みが出たり、他の歯や顎関節へ悪影響が及んだりする懸念があります。
こうした問題を未然に防ぐためにも、定期的なメンテナンスを受けて状態をチェックすることが重要です。
オールオン4は、日々のケアと歯科医院での専門的なメンテナンスの両方をしっかり行うことで、長期的に安定した状態を保つことができます。とりわけ大切なのは、インプラント周囲を常に清潔に保つことと、噛み合わせを適切に維持することです。自宅では正しい歯磨きやデンタルフロス・歯間ブラシの活用により、歯ぐきとの境目や細かい隙間まできちんと清掃します。
また、歯科医院で定期的にレントゲン撮影や噛み合わせの調整などを受けると、問題の早期発見と早期対処が可能になります。加えて、生活習慣にも気をつけるとより効果的です。例えば、喫煙は歯ぐきの血行を悪くし、歯周病リスクを高めます。過度な飲酒も口腔内環境を乱す要因となる場合があります。こうした習慣を見直すことで、オールオン4を含む口腔環境全体の健康をより長く維持できるでしょう。
⓵毎日のセルフケアを徹底する
いくら専門的な治療を受けていても、日常の歯みがきやフロスが疎かになると口腔内が不潔になり、炎症を引き起こす原因となります。
人工歯は虫歯にはならないものの、インプラント周囲は自然の歯と同じくらい丁寧なケアが必要です。
⓶定期検診を欠かさない
3~6ヶ月に一度程度は歯科医院を訪れて、インプラント周囲の状態を検査してもらいましょう。
レントゲンによる骨の確認や専門器具を使った歯垢・歯石の除去などは、自宅でのケアだけでは難しい部分です。
⓷噛み合わせの変化に気を配る
噛み合わせが変わった、以前より噛みにくくなったと感じた場合は、早めに歯科医に相談しましょう。小さなズレの放置は、大きなトラブルへ繋がりやすいからです。
⓸生活習慣の見直し
タバコを吸う習慣がある方や過度な飲酒をする方は、できる範囲で減らす・控えるなどして、インプラント周囲の健康状態を守る意識を持つことをおすすめします。
オールオン4を健やかに保つためには、家庭で行うセルフケアと歯科医院で受けるプロのケアが両輪として機能することが理想です。以下では、それぞれの具体的な方法についてまとめていきます。
ワンタフトブラシ
ブラシの先端が小さくまとまっているため、インプラントと歯ぐきの境目や、上部構造の際など細かい部分を丁寧に磨けます。
歯間ブラシ
歯と歯の間の隙間やインプラント周囲の清掃に役立ちます。サイズは自分の歯ぐきに合わせて選ぶのが大切です。
デンタルフロス
歯間ブラシが入りにくい部分の歯垢除去には、フロスを使用すると効果的です。力を入れすぎず、優しく動かすことがポイントになります。
口腔洗浄器(ウォーターピックなど)
ジェット水流で歯ブラシやフロスでは落としきれない汚れを洗い流します。水圧を調整できるタイプを使うと歯ぐきへの負担を減らせます。
最初に普通の歯ブラシで全体を軽く磨き、表面の汚れをざっと落とします。その後、ワンタフトブラシを使ってインプラント周囲の溝や歯ぐきとの境目を丁寧に磨きましょう。
次に歯間ブラシやデンタルフロスを用いて隙間の汚れをかき出し、仕上げに口腔洗浄器で洗い流します。最後にマウスウォッシュを使用すれば、口腔内全体の清潔をさらに高めることができます。
就寝前は特に細やかに行うことで、一晩中細菌が増殖しにくい環境を整えることができます。
オールオン4の場合、3~6ヶ月ごとに定期検診を受けることが望ましいとされています。検診では、以下のようなことが行われます。
定期検診では、プロによるクリーニングが行われます。一般的には、歯科衛生士が超音波スケーラーや手用器具などを使い、歯垢や歯石を除去します。
インプラント周囲は金属製の器具で擦りすぎると傷がつきやすいため、専門家が素材に合わせて適切な手順で行います。その後、必要に応じて上部構造(ブリッジ部分)を一時的に取り外して内部をチェックする場合もあります。
最後に噛み合わせが乱れていないかを確認し、わずかなズレがあれば調整を実施します。
歯周病菌の増殖が原因になっていることが多く、クリーニングや薬用リンスの使用で改善を図ります。進行している場合は、歯科医師による専門的な処置が必要です。
硬いものを噛んだり、力のかかり方が偏っていると破損する可能性があります。軽度の破損なら修理で済むこともありますが、大きなダメージの場合は新たに作り直すことも検討されます。
年齢や生活習慣によって歯ぐきや顎の状態が変化し、噛み合わせが合わなくなる場合があります。調整や再製作など適切な対応を行うことで問題解消が可能です。
オールオン4を受ける際、あるいは受けた後に重要なのは、適切なメンテナンスを継続して行ってくれる歯科医院を選ぶことです。
治療をするだけでなく、長期的なサポートを担ってくれるクリニックを選ぶことで安心感が高まります。
オールオン4の症例数が多い
経験豊富な医師や歯科衛生士がそろっていると、細かいトラブルにも的確に対応してもらえる可能性が高まります。
最新の設備を導入している
3D CTやマイクロスコープなど、精密診断に役立つ機器が整っているクリニックだと、トラブルの早期発見に役立ちます。
アフターケア体制が充実している
定期検診のプログラムやスタッフの連携体制が整っているかどうか、事前に確認すると良いでしょう。緊急時に迅速な対応がとれることも重要です。
説明がわかりやすく親身である
治療やメンテナンス内容を丁寧に説明し、患者の疑問や不安に耳を傾けてくれる病院は信頼しやすいといえます。
費用の説明が明確か
カウンセリング時にトータルコストやメンテナンス費用について、具体的に提示してくれるかどうかは大切な指標です。
担当医師や衛生士の実績
担当医の経歴やインプラントの専門資格、学会活動などを確認することで、医療水準を推し量ることができます。
メンテナンス専用のコースやプランがあるか
カリキュラムが用意されているクリニックは、長期的に患者をフォローする姿勢があると考えられます。
通いやすさと予約の取りやすさ
定期的に通院が必要なので、無理なく通える立地や予約の融通が利くかどうかも大事です。
「入れ歯がガタついて食事が楽しめない」「歯がほとんど残っておらず、全部入れ歯にするしかないと言われたけど、どうしても踏み切れない…」──そんな不安や迷いを抱えていませんか?
ここでは、名古屋で「オールオン4」に実績のある歯科医院を、年代別の悩みに寄り添って厳選紹介。
40代・50代・60代、それぞれに合った医院選びのヒントが見つかります。
オールオン4は、少ない本数のインプラントで広範囲の歯を支えられる優れた治療法です。
しかし、人工歯だからといってトラブルとは無縁ではなく、むしろインプラント周囲の炎症や噛み合わせの問題に気を配らなくてはなりません。下記のポイントを押さえることで、オールオン4を最大限に活用し、長く快適に使えるようにしましょう。
オールオン4の治療は、施術後が本当のスタートといっても過言ではありません。実績豊富で最新設備が整った歯科医院を選び、さらに定期メンテナンスの体制がしっかりしているクリニックを見つけることが重要です。
費用面や通院頻度、医師や衛生士の対応など、複数の角度からチェックして総合的に判断しましょう。
いかに優秀な医師のもとで治療を受けたとしても、自宅でのセルフケアが疎かになれば、オールオン4を長持ちさせることは難しくなります。
毎日の歯磨き、フロスや歯間ブラシの活用、口腔洗浄器での洗い流しなど、基本の習慣をしっかりと続けることが大切です。それと同時に、定期検診を欠かさず受けて専門家の目で定期的に点検を行ってもらうことで、インプラント周囲の健康を維持できます。
もし、噛み合わせの違和感や痛みなど、少しでも普段と違う症状があれば早めに歯科医院に相談するのがおすすめです。早期発見・早期対応で大きなトラブルを防ぐことができ、オールオン4をより長く快適に使い続けることができるでしょう。日頃のケアと信頼できる歯科医療機関との二人三脚が、健康な口腔内と豊かな食生活を守る鍵になります。
名古屋にある歯科クリニックの中から、オールオン4の施術をおこなっていることが公式HPに明記されている26院を調査。
歯周病や虫歯などが原因でインプラントを入れている方や入れ歯が合わない方、自覚症状がありながら歯医者に行けず歯がボロボロになってしまった方に向けて、年代ごとにおすすめの歯科クリニックを紹介します。
※症例参照元:吉岡歯科医院公式HP
(https://www.yoshioka-dental.com/cases/kougouhoukai_01/)
(https://www.yoshioka-dental.com/cases/kougouhoukai_02/)