このページでは、オールオン4でよくあるトラブルや対処法について解説します。
一般の「1本に1本」のインプラント治療では、欠損歯数と同等の本数を埋入するため、手術回数や骨造成が増え、費用も上がりがちです。
オールオン4は傾斜埋入とカンチレバー設計を活用することで、本数を抑えつつもフルアーチ補綴を固定できるため、侵襲・コスト・治療期間を圧縮しやすい利点があります。
一方、インプラント数が少ない分だけ1 本あたりの荷重が大きく、咬合バランス不良や清掃不良が重なるとトラブルが顕在化しやすい点がデメリットです。
そのため、設計段階での三次元シミュレーションと適切なメインテナンス計画が欠かせません。
糖尿病コントロール不良や骨粗鬆症、重度の心血管疾患など全身状態が不安定な場合、骨結合が阻害される可能性が高まります。また、顎骨の著しい吸収により骨幅・骨高が不足しているケースでは、傾斜埋入の角度を確保できず、オールオン4よりも骨造成+多本数埋入が適切となる場合があります。初診時にはCTで骨量・神経管・副鼻腔の位置を三次元的に評価し、適応範囲を見極めることが重要です。
治療歴として放射線照射既往やビスホスホネート製剤長期投与がある場合、骨壊死リスクが高く適応外となる可能性もあります。これらの情報を事前に申告し、専門医と連携してリスク評価を受けることが必須です。
インプラント窩の形成時に下歯槽神経や上顎洞を損傷すると、麻痺や術後性上顎洞炎を生じる恐れがあります。最新のナビゲーションシステムやガイドサージェリーを用いても、人為的エラーがゼロになるわけではなく、術者の経験値が成否を分ける場面は少なくありません。骨質が軟らかい上顎前歯部では初期固定不足によるマイクロムーブメントが骨結合不良を招きやすく、術中のトルク管理が重要です。
さらに、床口底の穿孔による動脈損傷は即時に呼吸閉塞へ進行しうる重篤合併症であり、迅速な気道確保が生死を左右します。
即時荷重で装着するPMMA製の仮歯は、咬合高次修正や清掃指導を行いながら数ヶ月使用しますが、この間に咬合圧が集中するとクラックや欠け、連結部のゆるみが発生することがあります。
仮歯がわずかに揺れるだけでも内部の骨結合には微細なストレスが伝わり、炎症や痛みの遅発につながるため、違和感を覚えた時点で速やかに再調整を受けることが重要です。
術後1年以降は清掃不良や喫煙、糖尿病によりインプラント周囲炎が進行しやすくなります。近年のメタアナリシスでは、患者レベルで25%前後に周囲炎が確認されたと報告されています。
同時に、咬合の偏りやパラファンクションが続くと、アバットメントスクリューやカンチレバー部の金属フレームが疲労破折を起こすこともあります。その結果、補綴物が浮き上がり、清掃不能部位が露出して炎症を助長する悪循環が生じます。
床口底動脈の損傷による舌圧排・気道閉塞、大量出血性ショックなどは稀ながら報告されています。術前にCTで動脈走行を把握し、穿孔が疑われる際は直ちに圧迫止血と救急搬送を行うフローチャートを準備することが推奨されています。
血糖コントロール不良や免疫抑制剤服用は創傷治癒を遅延させ、骨結合の阻害因子になります。喫煙は血管収縮とバイオフィルム付着を助長し、周囲炎発症リスクを非喫煙者の約2倍に引き上げるとされています。
さらに、セルフケア不良や残存歯の慢性歯周炎は病原性細菌のリザーバーとなり、インプラント周囲への感染拡大を招きます。定期的なプロフェッショナルケアの欠如も長期的予後に負の影響を及ぼします。
CTや口腔内スキャナーが未整備で、二次元レントゲンのみで手術計画を立てる場合、解剖学的誤認による神経・血管損傷リスクが跳ね上がります。
また、症例数が少ない術者は傾斜埋入角度の最適化や即時荷重の荷重計算に不慣れで、初期固定不足や咬合設計ミスにつながりやすいと報告されています。
4点支持で広がりを確保するオールオン4は、咬合力が集中しやすい大臼歯部をカンチレバーで補う設計が必須です。過度な突出長や側方運動時の干渉を残したまま放置すると、骨縁の微小な骨吸収が進行し、スクリューゆるみ→骨結合低下→破折・脱落という負の連鎖を生みます。
三次元CTによる骨形態解析とサージカルガイド製作が標準化されているか、即時荷重症例の累計件数や公開論文の有無などを確認しましょう。学会認定医・指導医の資格や、年間手術件数が可視化されている施設は信頼性が高い傾向にあります。
CT画像では下歯槽神経、舌下動脈、上顎洞底などのクリティカルエリアを3Dで描出し、安全域と傾斜角度を設定します。同時に血液検査でHbA1cや出血時間を確認し、周術期の感染・出血リスクを最小化する全身管理計画を立てます。
「入れ歯がガタついて食事が楽しめない」「歯がほとんど残っておらず、全部入れ歯にするしかないと言われたけど、どうしても踏み切れない…」──そんな不安や迷いを抱えていませんか?
ここでは、名古屋で「オールオン4」に実績のある歯科医院を、年代別の悩みに寄り添って厳選紹介。
40代・50代・60代、それぞれに合った医院選びのヒントが見つかります。
術後6か月までは1〜2か月ごとのプロフェッショナルクリーニングで仮歯の適合と清掃状態を評価し、1年以降は咬合調整とX線による骨レベルチェックを含む3〜6か月ごとのメインテナンスが推奨されます。周囲炎の早期指標である出血指数やポケット深さの増大を逐次モニタリングすることで、大規模な骨吸収を未然に防げます。
硬いクラッカーやナッツ類、粘着性の高いガム・キャラメルなどは破折リスクを高めます。また、就寝中の歯ぎしりが疑われる場合はナイトガード装着を検討し、舌側・口蓋側からの異常音や痛みを感じたら早期受診することが肝要です。
義歯の浮きや口臭の悪化、出血や排膿、咬合時のクリック音は周囲炎・スクリューゆるみの初期サインです。鏡で歯肉縁の腫脹や発赤を確認し、1週間以上続く場合は担当医へ相談してください。
トラブル原因が不明瞭、再治療見積りが高額など不安要素がある場合、インプラント専門医によるCT再読影と診断を受けることで客観性を担保できます。画像データと治療経過をUSBやクラウドで持参すると診断がスムーズです。
スクリューゆるみのみで骨レベルに問題がなければ再締結・噛み合わせ調整で済む場合があります。周囲炎で骨吸収が進行していれば、外科的デブライドメントと再生療法、最悪の場合はインプラント撤去+骨造成+再埋入が必要です。
再治療費は初回より高額になる傾向があるため、保証期間や追加費用の有無を必ず確認しましょう。
オールオン4は高い生存率を誇る一方、周囲炎や機械的破損などのトラブルは決してゼロではありません。CTによる精密診断、経験豊富な術者の選択、術後メインテナンスの継続という三本柱がトラブル予防の鍵です。
名古屋にある歯科クリニックの中から、オールオン4の施術をおこなっていることが公式HPに明記されている26院を調査。
歯周病や虫歯などが原因でインプラントを入れている方や入れ歯が合わない方、自覚症状がありながら歯医者に行けず歯がボロボロになってしまった方に向けて、年代ごとにおすすめの歯科クリニックを紹介します。
※症例参照元:吉岡歯科医院公式HP
(https://www.yoshioka-dental.com/cases/kougouhoukai_01/)
(https://www.yoshioka-dental.com/cases/kougouhoukai_02/)