GBR（骨再生誘導法）

インプラントは顎の骨に埋め込む治療のため、骨が不足していると治療が難しい場合があります。そこで使われるのが「GBR（骨再生誘導法）」です。本記事ではGBRの概要や治療の流れ、費用や注意点をわかりやすく解説します。

GBRとは

GBR（Guided Bone Regeneration）は、インプラント治療時に骨が不足している部位へ骨の再生を促す治療法です。日本語では「骨再生誘導法」とも呼ばれ、骨の足りない箇所に補填材を入れ、専用の膜（メンブレン）で覆うことで、骨が育つ空間を作る方法です。

この膜は歯茎などの他の組織が入り込むのを防ぎ、骨細胞が再生しやすい環境を維持します。数ヶ月かけて骨が育成されることで、インプラントを安定的に支える土台が整います。

GBRは、特に骨が薄くなりやすい上顎や前歯部の治療で有効です。最近では材料や技術が進化し、治療の成功率や患者の負担軽減にも貢献しています。

GBRは骨の量が足りない部分に対し、計画的に骨の再生を促す治療です。インプラント治療と併用されることが一般的で、段階的なステップで進められます。

治療計画は患者の骨の状態によって異なるため、専門医による詳細な診断と計画立案が成功の鍵となります。

GBR（骨再生誘導法）は自由診療に分類され、保険適用外の治療です。費用は治療内容や使用する材料、医療機関の技術レベルによって大きく変動します。

1部位あたりの目安は5万円〜15万円程度です。補填量や使用するメンブレンの種類によって追加費用がかかることもあります。

インプラント1本の治療費に加え、GBR分として10万〜20万円程度が上乗せされることが一般的です。合計で1本あたり40万〜70万円ほどを想定しておくと安心です。

治療内容や費用の内訳は、事前カウンセリングでしっかり確認し、納得したうえで進めることが重要です。医療費控除や分割払いの活用もあわせて検討しましょう。

※編集チーム調べ（2025年5月調査時点）

GBRは、骨が不足している方でもインプラント治療を可能にする再生技術です。治療を検討する際には、メリット・デメリットの両面を理解しておくことが大切です。

患者ごとに状態は異なるため、GBRが適しているかどうかは専門医による判断が不可欠です。

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ここでは、実際にGBRを併用して行われたインプラント治療の症例を紹介します。骨が不足していたケースにおいて、どのように再生が進んだかの一例です。

引用元：https://e-ha.ne.jp/implant/

上顎の前歯にインプラントを希望された患者さん。骨の前面が吸収されており、通常の埋入は困難と診断されました。GBRで骨補填材と吸収性メンブレンを使用し、約半年後には十分な骨幅が再生。審美性と機能性の両立が可能となりました。

施術内容	左下6番7番インプラント 6番骨再生療法
治療期間	約6ヶ月
治療費用	約75万円
リスク・副作用	・インプラント治療は外科処置を伴います。全身疾患のある方は術前にお知らせください。・インプラントの耐久性は天然歯同様、口腔衛生状態により変化します。定期的メインテナンスが必要です。
症例引用元	上前津歯科医院（愛知県名古屋市中区大須4-11-17） 052-251-8282

インプラント治療を希望しているにもかかわらず、「骨が足りない」と診断された方にとって、GBRは有効な選択肢となります。とくに以下のようなケースではGBRが適応されやすいです。

インプラント治療には、安定した骨の土台が必要です。GBRはその土台を築くための大切な工程であり、治療成功の可否を左右するポイントでもあります。

まずは歯科用CTなどによる検査で骨の状態を把握し、専門医とともに適切な治療計画を検討していきましょう。

骨が足りないからといって、インプラント治療を諦める必要はありません。GBR（骨再生誘導法）は骨の再生を促し、治療の可能性を広げるための重要な技術です。

治療の精度が求められる分野ですが、的確な診断と適切な処置が行われれば、自然な噛み心地と見た目の回復も十分に期待できます。

まずは精密検査で骨の状態を把握し、信頼できる歯科医師とともに、自分に合った治療方針を立てることが安心への第一歩です。